【最判昭和37年1月19日】競業者の原告適格-公衆浴場の適正配置規定

【事実】

京都府公衆浴場法施行条例1条は、公衆浴場法2条の規定する適正配置基準として、各公衆浴場の最短距離を250m 間隔とし、土地の状況・人口密度等により知事が適正配置と認めた場合にその例外を認める旨を定めていた。京都府知事(Y)は、Aに対して公衆浴場の営業許可をしたが、当該許可に係る公衆浴場は、X₁の経営する公衆浴場との距離が208m であり、X₂の経営する公衆浴場とは250m 以上離れていたものの、3浴場(A・X₁・X₂) の利用圏内の人口は京都府内規が定める2000人を下回っていた。そこで、X₁・X₂は、Aに対する営業許可の無効確認を求めて出訴。1審・2審ともX₁・X₂の原告適格を否定したため、X₁・X₂が上告。破棄自判(1審に差戻し)


【判旨】

「公衆浴場法が許可制を採用し前述のような規定〔適正配置規定〕を設けたのは、主として『国民保健及び環境衛生』という公共の福祉の見地から出たものであることはむろんであるが、他面、同時に、無用の競争により経営が不合理化することのないように濫立を防止することが公共の福祉のため必要であるとの見地から、被許可者を濫立による経営の不合理化から守ろうとする意図をも有するものであることは否定し得ないところであって、適正な許可制度の運用によって保護せらるべき業者の営業上の利益は、単なる事実上の反射的利益というにとどまらず公衆浴場法によって保護せられる法的利益」である。


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